書評
江戸川乱歩傑作集
江戸川乱歩の作品を読みたいと思って学校の図書室や図書館で探してみたら、これしかなかったので借りてみた。気軽な気分で借りてみたのだけど、
なにこれ。すんごーいおもしろい。たまんない。
乱歩Rってドラマで一回、人間椅子をみたんだけど、だんぜん小説の方がおもしろかった。
この本が面白いのは、ただ、殺人事件を解き明かしていくんじゃなくて、人間の暗い部分とか、変態的なところが如実に描かれているところだと思う。
そういう物を嫌う人はやっぱりいると思うのだけど、怖いものみたさで惹きつけられるひともたくさんいると思うのだよ(何だ)
人間椅子のあらすじを、読んでいる途中、気味悪くて、胃が少しむかむかしたけど、やっぱり先がすごい気になって、途中で読むのを止める気にはならなかったし、乱歩の得意とする、最後のどんでんがえしに、あっけにとられながらも、たまんない。
すっきりした無駄のない読みやすさも、まさに、短編小説なんだけれども、内容が濃くて、充実感がたっぷりの小説でした。
内容
「二銭銅貨」 初乱歩。好きなのだけど、あまり楽しめなかった。あんなに長く前置き をしておいて最後はこうなのね、へぇ、みたいな感じ
「二癈人」 ほっとくんじゃなくて、わざわざ語りに戻りに来る友人。
「D坂の殺人事件」心理的な証言であるからの違い。勉強になった。死んだ理由が、あ あいうことっておもしろい。
「心理試験」 自信家であるからこそのミス。
「赤い部屋」 初めから終わりまで楽しめる。
「屋根裏の散歩者」あそこで寝てしまった被害者に同情
「人間椅子」
「鏡地獄」「芋虫」この2作がこの傑作集のなかでのお気に入り。暗くてきみのわるい はなしなんだけど、好き。